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眼瞼下垂(がんけんかすい)

<眼瞼下垂とは>
眼瞼下垂とは正面視にて上まぶたが病的に下垂して瞳孔領域まで覆う病態を総称します。

眼瞼下垂は、先天性または後天性理由により上眼瞼の機能障害が生じてまぶたが開きにくくなる疾患のひとつです。

重度の下垂となると上眼瞼縁が瞳孔中心線より下になって視野がかなり狭くなります。

眼瞼下垂になりますと視界が制限されてしまうため無理に視野を確保しようとします。眉毛を挙上してまぶたを開こうとするため、あるいは下顎を挙上するために頭痛肩こりを併発することがあります。

眼瞼挙筋の収縮で目の開閉がコントロールされています。筋肉の動きが弱かったり、ほとんど機能していない状態の多くは先天性眼瞼下垂と呼ばれています。

また眼瞼挙筋にはミュラー筋と呼ばれる小さな筋肉があり、上眼瞼挙筋は随意神経である動眼神経支配でミュラー筋は自律神経である交感神経が支配しています。交感神経が緊張することでミュラー筋が縮んで、まぶたを持ち上げる動作の補助をします。

眼瞼下垂になると、それまで以上にミュラー筋を収縮させてしまうために、交感神経が常に興奮してしまうことがあります。

そのために動悸がしたり、体を支える起立筋が過緊張するため首筋や肩の筋肉が凝ります。また不安疲労感を感じやすくなるなど眼瞼下垂になると自律神経失調症状が現れることもあります。
 

眼瞼下垂の原因


眼瞼下垂は生まれた時から筋肉や神経に何らかの障害を伴った先天性眼瞼下垂と筋肉や皮膚の弛緩によって生じる後天性眼瞼下垂と偽眼瞼下垂に分けることができます。
ⅰ)先天性眼瞼下垂
生後一年以内に上眼瞼が垂れ下がった状態が先天性眼瞼下垂です。眼瞼挙筋の形成不全などで起こります。
片眼性のことが多く、遺伝的な問題も指摘されています。眼瞼下垂の約8割は先天性眼瞼下垂で眼瞼挙筋の局部の筋原性発生障害に起因します。

先天性眼瞼下垂に合併する斜視は約15%程度と高頻度に発生します。先天性眼瞼下垂の場合は完全な視野障害を生じることは少ないですが、数日から数週にわたる視野障害がある場合は弱視に至ることがあります。

ⅱ)後天性眼瞼下垂
後天性眼瞼下垂は筋力がないということでなくて加齢による筋力の低下や皮膚の弛緩などでおこります。
最近では目を酷使するパソコンの長時間使用などで目の疲れと共に眼瞼下垂を訴える方が少なくありません。
またアトピーなどのアレルギー疾患によってまぶたを擦ったり、過剰なメイクにより目を擦る行為によって著しく皮膚が弛緩してしまいます。

そうすることにより瞼板と挙筋腱膜とがはずれてしまうことによって開瞼状態が悪くなります。
しかし体には視野が妨げられると自然に眉を持ち上げたり、顎軽く上げたりしてそれを補おうとする作用が働くため判断が難しくなります。

片側の眼瞼下垂の場合は比較的簡単に判断できますが、両側性の場合で形成的な異常が伴わない場合は判断が困難な場合もあります。

ⅲ)偽眼瞼下垂
顔面神経麻痺などによって前頭筋が麻痺すると眉毛が下がって上眼瞼が下垂してみえることがあります。また高齢者の眼瞼はしばしば皮膚弛緩および筋肉や結合組織の脆弱化のために特に弛んだ上眼瞼が

重力で垂れ下がるため視野障害、眼瞼下垂、や眼瞼炎を引き起こしやすくなります。
当院の治療は、ベル麻痺などの顔面神経麻痺の患者さんに対してとても効果があり、喜ばれています。

眼瞼下垂の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑のは目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。

眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の瞼の開閉のコントロール異常と考えられるので、そのことからも眼瞼下垂は肝に深く関係していることがわかります。

また、肝は精神情緒の安定自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は眼瞼下垂を引き起こすとも考えられます。

先天性眼瞼下垂は五臓六腑の腎と深く関係しています。現代において腎は大変弱くなっており、上手く機能していない方が多く見受けられます。

眼瞼下垂鍼灸症例

主訴
眼瞼下垂/眼精疲労  東京都 女性30代

症状
2年前ほど前より事務の仕事中に目(目の奥)の疲れをひどくく感じるようになった。目のアレルギーとドライアイにより目を擦っていたら?瞼が下がってきてしまい、目を開けているのがつらく感じる。

視線を変えて物を見ても中々ピントが合わない、体の疲れも感じやすくなり、朝から疲れている。肩や首の張りも強く仕事に支障がでる。

鍼灸施術

初回
施術後、見え方がスッキリするが下垂は変化なし。まだ、目の奥が重く感じる。首肩も少しは軽くなったが、まだ重さは(まぶた)かわらず。身体の力が抜けて少しけだるい。

2~4回目

初回の施術後自宅に帰り、食事をして、横になっていたら、朝まで熟睡した。久しぶりに良く寝れた。
日常での目の疲れが少しづつだが感じなくなってきた。まだまぶたは重い。その後もよく眠むれて体温

が0.2~0.3℃上がった。、首肩が軽くなって来た。視線を変えてもピントがすぐに合う様になって来た。身体の調子は良く、周りから顔色が良くなって、スッキリしてきたと言われ、横になっている時は、目

がパッチリしている。しかし仕事が終わるころまた、目(まぶた)が重くなる。

5~8回目
睡眠の質が良く(途中で起きなくなる)なり、目の疲れ、体の疲れも朝にはリセットしていて、朝のけだるさが無くなる。気がついたら、目薬の減りが遅くなっている(使用が少ない)。パソコン作業を長時間すると目が疲れるが、以前とは全然違い、朝にはスッキリと回復している。目がきちんと開いて化粧がきちんとできると喜ばれていた。

9~10回目
通院前は、休日外出するのが面倒で家でゴロゴロしていたが、外に出ても楽しく疲れもほとんどなかった。と喜ばれていた。ドライアイ、かゆみ等初回訴えていた各症状も改善し、体調も良く目もほとんど気にならないとの事で、10回目で施術終了しました。

考察

本症例の患者様は、上記の後天性眼瞼下垂が当てはまると考えられます。

眼瞼下垂は目だけに原因がある場合は少なく、頸肩部や身体全体の不調(自律神経)が原因の場合が多く、この患者様の場合も目の周囲の治療ばかりではなく、身体全体を施術させていただきました。

当院では、栄養(酸素も含む)ある血液が全体に行き渡ることができる様(特に目の周り)に腹部や背部にも施術をし消化、吸収、排泄のバランスを整え自然治癒力を最大に高めます。

中医学では、五臓六腑で目は肝と言われていますが、今回は腎に関係する施術も取り入れました。腎はは血液をドロドロにしている元である老廃物を除去し、血液をろ過綺麗にしてくれる役割があります。

(サラサラな血液は、毛細血管から隅々まで、回復に必要な栄養と酸素を運びます)腎を治療することは、栄養を目に送り届ける上でも重要なことだと思います。特にこの方は体の疲れが目に表れやすく、目のケアと共に全身のケアが大事だと感じました。

また、健康的な生活を送る基本でもある食事と睡眠をしっかり取るように指導させていただきました。そして目を擦る動作をなるべく控えるように促しました。最初はつらいとのこでしたが、日々治療することによりかゆみも感じにくくなったようです。

眼瞼下垂は、目だけではなく自律神経失調であったり、身体全体の調子を崩して来院される患者様が多く、そららを整え体調を良くする事で、改善・回復される場合が多いです。眼瞼下垂、眼精疲労、ドライアイ等に身体全身をケアする鍼灸施術は有効であると思います。 

 

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同じ様な悩みを抱えて、鍼灸施術を受けた感想等多くの症例があります。

院長ごあいさつ

大内 民司

緑内障・複視・黄斑変性・眼瞼下垂・けいれん・眼精疲労眼科疾患に付随
する頭痛頭重感、パニックなどを長く扱っている院です。様々な不安をお聞かせ下さい。長年の経験、実績から最善の提案をさせていただきます。

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