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重症 ドライアイ(シェーグレン症候群)に対する鍼灸施術の症例
重症ドライアイ(シェーグレン症候群)に対する鍼灸施術
50代女性 都内在住 会社員
<主訴> ドライアイ、
<既往歴>シェーグレン症候群、関節リュウマチ
<経緯> 6年位前より症状を意識しだし年々症状がひどくなり、眼科で点眼薬を処方され使用。ジグアス、ティアバランス、ムコスタ、リドメックス軟膏等を使用するも改善されず。
シルマーテストでもカラカラと言われ、両角膜に傷がついている。涙腺プラグもあまり効果を体感できずに来院。
<自覚症状>
目が乾きショボショボする。眩しくてサングラスとサンバイザーをしていないと外出が困難、曇りや雨の日はまだいいが、腫れの日はつらい。強い眼精疲労、目のぼやけが取れない。
目の充血、眼科で角膜に傷がついていると言われた。目が重い(昔より目が小さくなった)
口の渇き、首肩の強いコリ、関節の痛み熱感、便秘、上肢、下肢の関節痛等を訴える。
<他覚所見>
目の充血と眼瞼の下垂、眼輪筋の瞼がカサカサでハリが無い。首肩の硬結・頭部、顔面部のむくみ・全身の肌ツヤ.ハリがない。上下肢の関節に熱を持って末端は冷えている(熱のバランスが悪い)。
<施術方針>
目の周りの関連穴と頭部、顔面部を含め首から上の血流循環改善の為に、鍼、電子温灸器、点灸施術。各症状回復の為に栄養を効率的に取り入れ、老廃物を積極的に排出させる目的で、腹部と
背部の関係ツボに鍼、灸(灸頭鍼)施術、上下肢に有る関連ツボと関節の熱をとる為の鍼灸施術。
長年の首肩部拘縮は鍼灸にストレッチをプラス。自律神経のバランスを整える頭部の灸施術等を、体調、効果に応じて強弱を付け1クール(5回)の効果をみて、以後の施術方針を決めていく。
<施術>
初診/9月23日:他の治療院でも目の施術経験があるので、鍼、灸共に緊張は無く、知覚異常も特にないが当院の施術は初めてなので、通常よりの弱い刺激で施術を開始。
2回目/9月29日:前回施術後目が軽くなった気がする。点眼薬の効果時間が少し伸び、便秘も少し改善した。
3回目/10月8日:目の疲労感は少し良い、点眼薬の効果が前回よりも長く感じる。少しクリア感が少し出てきた。
4回目/10月17日:頸部、肩部がかなり楽になり、目の充血もかなり改善し、むくみも改善して来た。晴れの日、サングラスとサンバイザーをしないと辛かったのが、サングラスだけでも大丈夫になった。
5回目/10月22日:点眼薬の効果が長続きし、点眼間隔が長くなった。頚部肩部の硬結もかなりやわらぎ本人も自覚している。朝のショボショボ感(目)も改善される。が、昼頃になると
戻ってしまう。見え方もクリア感、色彩も改善され本人も驚いている。
白目部分の充血が改善しスッキリし、眼瞼の下垂も改善してきて、目の印象も随分と変わった。
上肢の熱感も解消し疼痛も改善してきた。1クールが終了しリュウマチ、ドライアイ共に施術効果を体感できたので、7~10日の間隔で通院施術を継続すると話し合った。
6回目/10月29日:各症状とも改善が続き身体軽くなり疲れづらくなる。
7回目/11月10日:目の充血がほぼ解消された。上肢関節の熱感、疼痛もおちついている。
8回目/11月19日:顔面部の肌がしっとりして、くすみも無くなって来た。(化粧品は変えていない)玉ねぎを切っていたら7~8年ぶりに鼻の奥にツーンと刺激を感じた。
9回目/11月28日:眼科検査で右の角膜のキズほとんど変化なし、左はかなり改善しているとの事。
10回目/12月5日:目が潤んでいると子供に言われる。自分でも初診時のカラカラから比べると潤んでいる気がするとの事。
11回目/12月26日:先日シルマーテスト、2年前はからからと言われたが、今回は5㎜に満たず陽性だが改善しているといわれた。
以後経過が良いので月に2~3回の通院で状態により間隔を調整する。以下月毎に記載。
1月3回通院:角膜のキズがかなり改善していると主治医より言われる。眩しさが気にならない日が出てきた。ただ曇りから急に晴れるとまだ気になる。点眼薬の使用量がかなり少なくなる。基礎体温が以前35.5~6℃から36.5℃(ワキでの計測)になっていた。
2月3回通院:気がつけば視界がクッキリと見える。改めて以前は汚れたメガネを掛けているようだった。と本人、白目がキレイになり、目がパッチリとし
3月2回通院:リュウマチの数値がよくなっている。点眼薬の使用量が更に減る。花粉症の症状出る。昨年よりも楽で、目やに、充血、不快感に毎年悩まされるが今年は良い。
4月3回通院:サンガラスをしなくても眩しくならず外出できた。目の周り、特にまぶたが若々しくハリが出て来て、肌質もしっとりとしてきた。黄砂の影響で調子が悪い、酷い時は夏ごろま
で続く、昨年と比べればかなり良い。角膜1月と比べ右目は問題ないぐらいに回復、左目もかなり回復していると主治医に言われ喜んでいた。視界もかなりクッキリしている。
5月3回通院:黄砂の影響は例年より早くなくなり、目やに、充血、不快感で例年より苦しまなかった。涙が少しだが出てきた感覚があり嬉しいと本人。
6月2回通院:サングラスをしない日が多くなって来た。急な天気の(曇りから晴れ)変化にも対応できる。点眼薬を午前中使用しない時も出てきた。仕事も忙しく、初診時と比べれば日常生活に支障のないぐらいに回復したので施術終了。
翌年、3月と6月に来院。若干症状が出るが、2~3回の接術で改善する。
<考察>
当院は眼科系疾患に特に力を入れている鍼灸院です。緑内障、眼精疲労、黄斑変性、複視、眼瞼下垂、飛蚊症等、様々な症状で患者様が来院されていますが、ドライアイの症状は特に緑内障、眼精疲労との併発が多くみられます。
本症例のドライアイは、シェーグレン(続発性)症候群を起因としたもので、リュウマチも併発していました。ドライアイ、リュウマチ共に熱のバランスが大切と考え、自律神経調節と血流循
環改善に重点を置いた施術計画を立てました。また、年齢的にも消化吸収、排泄力が衰え、ホルモンバランスも乱れてくるので、症状改善に必要、有効な栄養を効率的に取り入れ、老廃物を積
極的に排出する事も目的に、五臓(肺、心、脾、肺、腎)六腑(胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦)のバランスを最適に整える施術をしました。
<主な訴え、症状の改善>
目の渇き・ショボショボ等不快感、まぶしさ・ぼやけて見える、目の充血・口の渇き、首肩の強いコリ、関節の熱感痛み、便秘等の症状はかなり改善しました。
特に角膜のキズが改善し、視界がクリアに色彩も良くなり、眼精疲労改善・まぶしさが改善、充血が取れ、目がクッキリとして、点眼薬の使用量が大幅に減りました。
目の周りの肌のハリ、みずみずしさが出てきました。タマネギを切って8年ぶりに鼻の奥にツーンと刺激を感じたとの事で、反射性分泌が改善しているエピソードもありました。
加えてリュウマチの血液検査の数値が下がったとの報告も受けました。上記のすべてが根治する事は残念ながらありませんがQOLはかなり改善していると思います。各症状に適切な薬の処方が
あっての施術効果だと思います。薬と鍼灸施術の相乗効果があらわれたいい例だと思います。
最近テレビ、本等で鍼灸の特集を良く目にしますが、一つのツボを刺激して症状が改善する西洋
的な解説が多く、勿論それも正しいと思います。が、当院では身体もツボもバランスが大切と考えています。体調、症状、年齢、体質等に合わせた全身の様々なツボを組み合わせ、刺激量を調
節する事で、更に大きな効果を発揮できると考えて施術にあたっています。
また、薬の西洋、東洋(漢方)問わず鍼灸施術の相乗効果は医科大学病院で報告されています。
当院も希望する方に漢方薬との相乗効果を目的に薬剤師の先生と連携しています。
本症例のようなタイプのドライアイの治療は点眼、プラグ等の対処療法と目に負担をかけない環境改善が基本と言われていますが、薬の効果が出やすい、回復力の有る体質に改善する。(体質
により薬効の差が有る事はよく言われていますが、薬の効果が出やすい体質になっていきます)副作用の心配もない鍼灸施術も治療、治療補助の選択肢の一つとしてぜひ体験して頂けたらと思います。
緑内障で悩まれている患者様へ
私が勤務している薬局には、緑内障の
治療でおかかりの患者様が大勢いらっしゃいます。
緑内障は、進行すると視力を失う可能性のある疾患であり、深刻な面持ちで、私ども薬剤師に相談してくる患者様も少なくありません。
眼科系・心療内科系・神経内科系のアンケート・症例もご覧下さい。
同じ様な悩みを抱えて、鍼灸施術を受けた感想等多くの症例があります。
緑内障・複視・黄斑変性・眼瞼下垂・けいれん・眼精疲労眼科疾患に付随
する頭痛頭重感、パニックなどを長く扱っている院です。様々な不安をお聞かせ下さい。長年の経験、実績から最善の提案をさせていただきます。