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当院を利用されたお客さまのアンケート・症例をご紹介します。
ページの上から眼科鍼灸症例・アンケート・心療内科鍼灸・神経内科鍼灸の症例です。
※下記をクリックすると各症例へジャンプします。
パニック障害、不安症、強い目の疲れに対する鍼灸施術の症例です。
来院当初は、疲れきっており、本当に辛そうにみえましたが、現在はとても元気で充実した生活を送られています。
こんなに、元気で体力もあり、おおらかで、どう考えてもパニック障害や不安症とは無縁に感じる方でも、誰でも罹患する可能性が有ると改めて感じた患者様の症例です。
症例:パニック障害、不安症、強い眼精疲労
パニック障害:発症H28年7月21日
主訴(症状):パニック障害 睡眠障害(入眠障害、中途覚醒、)極端な目の疲れ(眼が開けられない)、首・肩こり、頭重感、強い不安感(外に出ると特に強く、自宅に戻れなくなりそう、夜ベッド
に入ると出現)、ノドの渇き、違和感・つまり感、ドキドキ(強い動悸)して苦しくなる、頻尿
経緯 :H28年7月21日シャワーを浴びていたら急に寒くなり、たまらずに外に飛び出た。その後仕事に行くも体調が悪く病院に行き、各種検査をしたが異常なしといわれる。
安定剤等処方された薬を飲むも、症状は改善されず。仕事にも行けなくなりしばらく休職する事になりH28年8月28日に当院に来院。
他覚所見、社会環境:初診時当院にやっと来たと本人が言われるように、顔色が悪く、眼が充血し半分しか開かない状態で、とても緊張されていた。上半身が特にほてっており、下半身は冷えている。首回
りから大量の汗をかき、首、肩、顔、背中と力が抜けず、強い筋拘縮と熱感が見られる。社会環境は、20年以上同じ会社に勤務し、昼夜が無く休日もなかなか取れない状態で現在体調不良で休職中。
施術、施術方針:体中の緊張が強いのでまず緊張を取り、睡眠障害を改善する施術を初め、様子をみながら徐々に他の症状の施術、改善をしていく。
8月28日:初回:緊張が強い為、鍼を使用せずお灸で全身の緊張を取る施術をして反応みる。
9月1日(2回目):前回の施術後良く寝た気がした。身体全体の力が抜けて身体がだるくなった。はじめて鍼灸施術を受けたが、自分に合うような感じがするので、しばらく続けたいと本人。
9月7日(3回目):前回後だるさは出るが、身体の力が抜けて呼吸が楽な感じがする。また、顔色が良く眼の充血が引き楽に開く様になったと本人。だるさは気にならない。むしろ心地いいとの事で、通常(当院の鍼灸施術)施術を開始しました。
9月14日(4回目):通常の施術での好転反応(だるさ)はそれほど出ない。頭重感、肩首のコリ、眼の充血もかなり改善し、眼が軽く感じる。しかし、夜のドキドキ(動悸)は強く、まだ不安も取れな
い。左下半身のみ熱感があり気持ち悪い。好転反応はダルさだけではない事を話す。鍼灸施術に頸部ストレッチを追加。
9月21日(5回目):眼が更に軽くなりスッキリする。夜のドキドキ(動悸)は毎日あるが少し弱まり、それと同時に強い不安感も少し和らいできた。今回で1クール(5回)終了し今後の施術間隔につ
いて話した。本人から休職中で特に用事はなく1クールでかなり楽になったので1wに1回位通院したいとの事で、引き続き施術を行う。
9月28~10月26日 :2クール(6~10回)施術内容は通常施術、少しずつ調子も良くなり10月半ばより1日おきに仕事場に行く様になる。夜勤は無く、職場に顔を出すぐらいで特に仕事はせず
に短時間で帰宅する。頻尿、のどのつまり感が言われるまで、あまり気にならなかった。本人がその事に驚いていた。更に調子が良く少し仕事が出来るようになってきた。この時点で頻尿、のどのつま感、
頭重感はかなり良くなるが、日によって気になる日があるので11月中はこのまま通院を本人が希望。
11月2日~12月3日 :3クール(11~15回施術)
11月に入って、週5日前後出勤(時短勤務)、眼の疲れもほとんど感じず。まぶたも軽くなり眼が開く様になる。睡眠も頻尿が改善された事もあり夜起きることがほとんどなくなり、強い不安感もいつの
間にか気になっていない。夜ベッドに入るとドキドキ(動悸)するが症状が軽く、すぐに治まるので不安は少ない。初診時に訴えていた症状はドキドキ(動悸)以外ほとんど気にならず。仕事量も6~7割ぐらいに戻しても、各症状も安定して回復している。まだ、ドキドキ(動悸)が気になるので、2週間に1回の通院を勧める。
12月~H29年2月:月に2回の施術で初診時の症状はほぼ消失しドキドキ(動悸)だけたまにあるが、初診時とは違い症状が軽く不安感は無く特に気にならない。年末の繁忙期で忙しく睡眠時間が取れ
ないと眼が重くなり、ドキドキ(動悸)が気になり薬を何度か飲んだ。薬の効きが良いのに驚いたと本人、頻尿、不安感等初診時の症状の再発はなかった。
H29年3月~:たまにドキドキ(動悸)は出るが気にならないレベルで、体調も良く夜勤、出張でも不安もなく自分の身体に自信も出てきたので3月から月1回の通院を継続して再発防止と体調管理、パフォーマンスアップの為、通院したいとの事で通院継続。
H30年10月時点でも月に1回通院していただいている。現在初診時に訴えていた各症状と、なかなか治まらなかったドキドキ(動悸)は消失し体調も良く、症状発症以前と同じく元気に勤務されています。
考察:本症例の患者様は、今まで病気や体調不良を経験した事が無く、自分の体力、健康に自信があり、まさか自分が体調不良で休職をするとは思っておらず、今まで元気に体が動いていたので、少しず
つ疲労が重なり、慢性的に疲労状態になっていても、年齢のせいと考えていた為、症状が出てかえって不安感が強く出たと思います。
今回の症状は極度の疲労と、ストレスによるものと当院は考えています。
施術は、まず自律神経のバランスをとり身体、精神的な緊張を取り除き、身体が休める環境状態を目標に施術をしました。次に回復に必要な栄養を効率的に取れるように、胃腸、主に消化器系のケアをしました。会社の理解もあり休職中の環境も良く回復も早かったと思います。
似たような症状の患者様の施術実績は鍼灸院の中ではかなり多い方だと思います。パニック障害、不安症、心的外傷後ストレス障害、うつ症状等、心療内科系の症状で現在悩んでいる方、鍼灸専門院の施術を試してみてはいかがですか?
患者様:男性 40代前半 東京都在住 自営業(芸術関係)
初診日:H26年9月
経緯:H25年夏、仕事先でパニック発作を起こし医科にてパニック障害の疑いがありと薬を処方してもらうも症状の改善が思わしくなく、H26年9月に当院に来院。
主訴(症状):精神不安、頭痛、めまい、手足のシビレ(特に右下肢の違和感シビレが強い)と冷感、動悸、首、肩、背中の強いコリ、腰痛、眼精疲労、睡眠障害、体力低下を訴える。
社会環境:自営業で大変忙しく、日本中をまわられている。移動時間を含め拘束時間がかなり長い、求められるクオリティが非常に高く、仕事量に対しての休養・休養時間がかなり不足している。
他覚所見:初診時、頸部から腰部にかけて筋緊張がみられ特に背部に強い硬結がみられ知覚異常もみられる。左右下肢の温度差(⧺)身体全体的に緊張、疲労が抜けておらず顔色が悪く疲れた表情(軽度の眼瞼下垂様)をされている。
施術方針:仕事の緊張が取れなく(オンからオフへ切り替えられない、切り替えづらい)効率の良い休養、睡眠が取れていないのでまず身体全体の緊張を取り効率よく睡眠、休養が取れるように自律神経の
バランスを整えリラックスした状態作り出し、腸内環境を改善して消化、吸収、排泄の効率を上げて自身の持つ回復力、治癒力を最大限に引き出せるように腹部に灸頭鍼と点灸、鍼施術、背部にある腎、
肝、胃、大腸などのツボに鍼、灸施術と両上下肢の経絡施術にプラスして冷感、シビレに対する施術、精神安定と眼精疲労、めまいに対して頭部、目の周り、頸部に鍼灸施術と部分ストレッチ施術を5回
(週に一回)し5回目の施術終了時に予後の見立て、施術方針を再考する事を確認し施術を開始した。
2回目(9月11日):初回施術後特に強い好転反応は出ず。シビレは少し改善するも頸部背部腰部下肢の違和感はあまり変化なし、何となくこの1週間は調子がいい気がする。初診時の後に好転反応が強く出ないので熱刺激を多くした。
3回目(9月19日):前回施術後、身体全体だるさが出て連続して6時間位良く寝る事が出来た。その後久しぶりに調子がいい。上下肢の違和感は少なくなっているがまだ気になる。先週北海道出張時パニック症状が出るが仕事のメンバーが隣にいたので何とか落ち着いた。
4回目:(9月26日):前回施術後身体の力が抜け3時間位熟睡し夜も眠れた。上肢のシビレ、違和感はかなり改善したが、下肢の違和感の変化は見られない。今週はパニック、不安感は出なかった。
5回目(10月5日):車での移動が多く腰が重く感じ下肢の違和感は施術後改善するが、次の日には出てしまう。今週は人混み、たばこのけむりでパニック症状が出る。5回目の鍼灸施術を終え、今後の
施術方針、予後について話し合う。予後の推測:5回の鍼灸施術の結果身体全体の緊張が緩和され各症状も初診時VAS10が5診目ではそれぞれ5~6まで改善しているので2~3か月の通院加療でほぼ
改善されると思われる。パニック症状も以前と比べて軽くなっているので仕事上のストレスにもよるがほぼ改善できると伝え鍼灸施術継続をする。通院間隔の最も効果的な週1回を提案したが、仕事が忙し
く2週間に1回、1ヶ月間に2回の通院で、鍼灸施術内容は現在の状態に合っていると施術者、患者様共に考えているので、施術内容はそのままでしばらく様子を見て施術間隔、施術内容を再考する。
6回目(10月20日):仕事の移動中軽くパニック症状が出るが、すぐに落ち着いた。以後月に2回の通院加療をする。
11月(2回通院):出張の帰りの電車で調子悪く駅の人ごみの中で症状が出るが、以前ほどではなく直ぐに治まる。全体的に体調は良くなっている。
12月(2回通院):出張等忙しい仕事が重なると症状が出るが10~20分位でおさまり比較的症状は軽い。年末で特に忙しく頭痛症状が出る。眼精疲労はほぼ改善し今月は左右下肢の違和感を訴える事はなかった。
平成27年1月(2回通院):一度だけたばこの煙で不安になるがパニックにはならず頭痛症状、めまい、シビレも出なかった。
2月(2回通院):今月は通院開始以来、初めて不安感が無く頭痛、シビレ等の不定愁訴がでなかった。
3月(2回通院):一度不安になるが、その場所を移動したら直ぐにおさまり2月よりパニック症状は出ていない。今までの通院加療により体調がよく体重も増え、疲れづらくなった。
4月(2回通院):友人が心筋梗塞で倒れ、その影響か頸部の強いツレ感、下肢の冷感を訴える。施術後に症状はすぐに改善する。
5月(2回通院):仕事が忙しく、急いで走ったら少し不安になったが直ぐに治まる。
6月(2回通院):前回より不安感無く体調もよく目の疲れも酷くなくなり、朝にはリセットされている。月1回の通院を提案したが、もう少し今のまま(月2回)の通院を希望されたのでしばらくは今のペースで鍼灸治療を続ける。
H27年9月より月1回の通院を提案し、もし不安があれば途中で治療をすることにした。
H28年2月:H27年9月より月1回の通院で少し不安になることもあるが発作は出ず通院当初の主訴:精神不安、頭痛、めまい、手足のシビレ(特に右下肢の違和感シビレが強い)と冷感、動悸、首、
肩、背中の強いコリ、腰痛、眼精疲労、睡眠障害、体力低下は、ほぼ消失し体調管理、再発予防の為、H29年1回通院、H30年1回通院と年1回の通院で、症状は出ずにとても精力的に活躍されている。
考察:パニック障害の治療は薬物療法と心理療法が一般的ですが、今回の患者様はたまたま仕事の仲間から鍼灸治療を勧められ来院されました。一般的には鍼灸施術はまだ認知されていませんし同業者でもその効果を知らない人もいます。
しかし、パニック障害を始め心療内科系の患者様が感じる不定愁訴の殆どに鍼灸は対応します。更に心療内科系でよく耳にする「セロトニン」、自律神経系にも効果を発揮します。脳腸相関と言う言葉が
あり脳と腸の深い関係を指し西洋医学では腸、東洋医学では五臓六腑のバランスを指します。ストレス(-)を受けるとセロトニンの作用が衰え自律神経系が乱れ消化器官(胃や腸)の働きが弱り正常な腸
内環境を保てなくなり腸内細菌にも悪い影響を及ぼします。そうなると脳内で生合成されるセロトニンの前駆体を合成する際に必要とするビタミン類を食べたものから効率よく吸収しづらくなり、脳内のセ
ロトニンが不足し肩こりや低体温、睡眠障害、体力低下、免疫力、回復力の低下や集中力低下、緊張しやすくなり、やる気が無くストレスを溜めやすくなり更に腸内環境が悪くなり・・と悪循環、不のスパ
イラルに陥ってしまいます。鍼灸施術で腸内環境、自律神経を整え腸内の活動適正温度にして消化、吸収、排泄のバランスを最適にし、物理的な肩こり等血行障害を解消することで心療内科系の各症状にも
対応します。また、腸内環境が改善され体温が上がり代謝が良くなる事から、薬物療法の薬効促進作用が期待できるので薬物療法の補助的治療としても効果を発揮します。薬物療法、心理療法に鍼灸施術を
組み合わせる事で更に症状改善が期待できると思います。
発症早期から鍼灸治療を開始し、後遺症もなく治癒した症例を提示させていただきます。
症例
40代 男性 都内在住 歯科医師
主訴
右顔面神経麻痺(水・スープ等が上手く飲めない,こぼれる、目が上手く閉じられない(ドライアイ)、口腔内の一
部に食べ物が溜る後頚部・両上下肢のシビレ、睡眠障害、急激な体重減少
症状経緯
4月末に2週間ほど風邪をひいていた。風邪の症状が治まると、頸部から背部にかけての痛みや、両手足の冷えを自覚し、背部の痛みから睡眠困難や食欲不振もあった。更に症状増悪したた
め5/1に都内腎臓内科へ救急搬送され腹部CT等施行したが異常なく経過観察となった。
その後5/3より両手足・後頚部のしびれ感、さらに5/5より目の閉じにくさを自覚し、入浴
時シャンプーが目にしみていた。
顔面部の麻痺を自覚したため、5/7私立大学医学部付属病院脳神経内科へ救急搬送され脳MRI、CT施行も異常なく末梢性顔面神経麻痺と診断され、プレドニン(ステロイド)、バルトレ
ックス(抗ウイルス薬)、メチコバール(ビタミン剤)を処方された。
その後本人より当院へ問い合わせがあり、5/10より鍼灸治療開始となる。麻痺発症前は仕事
が忙しく、また、様々なストレスを抱えていた。
自覚・他覚所見
初診時顔面神経麻痺スコア16/40点
耳介の発赤・腫脹・水泡(-)
流涙増加(-)、眼球乾燥(+)、聴覚過敏(-)、味覚障害(-)、ふらつき(-)、頭痛(-)、吐き気・嘔吐(-)
上・下肢深部腱反射:(+) 病的反射:(-)
上・下肢筋力:左右差なし
上・下肢、顔面部の知覚:正常 約2週間での急激な体重減少
FNEA TEST(+)※1.2
※1 顔面神経を目標とした鍼通電刺激により表情筋の筋収縮が認められた。
※2 近年鍼通電治療による後遺症のリスク増大等が取り上げられていますが、当院ではごく微量の通電により表情筋の収縮具合をチェックし、予後の推察、施術効果の確認をしています。FNEA TESTでの後遺症リスクを増大する事はありません。(医科大学病院等でも同様の検査をしています)
当院での治療
腎臓内科・脳神経内科で各種検査を行い、重大な症状が無く、末梢性顔面神経麻痺と診断され薬を処方されていた。疲れやストレスが過度に重なったことで悪循環を招き、免疫力・抵抗力が低下し風邪症状や顔面神経麻痺を発症したと当院では判断した。
主訴の顔面神経麻痺はステロイド、抗ウイルス薬が処方されており、血流の維持・増大、浮腫の抑制を目的に、物理的、根本的な循環改善効果をさらに高めるためにお灸を中心とした鍼灸施術
を行った。同時に体重減少、体調不良による筋拘縮、筋拘縮による頸部の圧迫からと推測される頸部・上下肢のシビレ改善を目的に頚肩背部への鍼灸施術やストレスからくる緊張を改善する為
の頭部への灸施術、回復・治癒力低下改善の為に消化・吸収・排泄を整える腹部への灸頭鍼、経絡的バランスをとる為に上下肢への鍼灸施術を行う全身施術行った。
当面は1週間に2回の通院を1ヶ月間行い、症状の経過を診てその後の施術内容、通院間隔を再考する事として施術を開始した。
治療経過
初回:特に変化なし
2回目:少し身体の緊張が取れる感じがする。
4回目:顔面神経麻痺スコア24/40点
約2週間経過後も、顔面神経を目標とする鍼通電テスト(FNEA TEST)にて表情筋の収縮が見られた為予後良好と考えた。全身治療に加え、顔面部への本格的な鍼灸治療を開始した。
上部表情筋の筋力改善が認められ軽閉眼可能となり、眼球乾燥が改善した。また、コンタクトレンズも使用可能となった。
しびれは残存しているが改善傾向にあり、睡眠もだいぶとれるようになってきた。
6回目:顔面神経麻痺スコア30/40点
完全閉眼可能、口角からの水漏れも無くなり、日常生活ではだいぶ気にならなくなってきた。
食欲がなく4月末から体重が10kgほど減っていたが、前回治療後から食欲が戻り始め、体重が1kg増えたとの喜びの声が聞かれた。
10回目:顔面神経麻痺スコア38/40点
顔はほとんど気にならなくなった。人に会っても気づかれることはほぼなくなった。
しびれもほとんどなく、仕事が普段通り出来るようになってきた。仕事量をセーブし、リラックスできている。睡眠もだいぶとれるようになってきている。
趣味でサーフィンをしているが、元気になってきたので週末には海へ通っていると笑顔でお話しされた。(顔面神経麻痺は顔面部を冷やすことは禁忌である為、本来海で風を受けることは避け
るべきであるが、回復が順調であることや、好きな海へ行く事によって良い気分転換、ストレス解消になると判断し、海に入ることは控えていただくことを事前に話し合い決定した。)
12回目:顔面神経麻痺スコア38/40点
安静時に口角の下制がやや見られたが、「もともと少し下がっていたかもしれない」(発症前の
顔写真と現在の顔を比べて)とのことと、日常生活では不便を感じず、食欲もほぼ普通に戻り体重もさらに3kg増加し体調も良く頸部、上下肢のシビレも改善し、体調もいいとの事で6月
末、当院では治癒と判断し治療を終了した。
考察
今回の症例は、発症早期からステロイド治療をしたこと、また、発症後5日目と早期から鍼灸治療を開始したことと、患者様が歯科医師で当院の見解、治療方針、治療間隔、期間、リスク等の
認識をスムースに共有でき、必要な期間に必要な鍼灸施術をさせて頂く当院の治療計画に仕事や私生活を短期間ながらすべて合わせていただいた。患者様の強い早期回復への気持ちと、1度し
かない貴重な回復期間を任せられた責任を感じ、スタッフ全員でのディスカッションを毎週行い(他の患者様も同様に毎日の報告、対策会議、週1回のディスカッションは行われている)最善最高の施術を目指し、初期の予定より早期の改善回復がみられたと考えている。
今回の症例では発症後の最低顔面神経麻痺スコアが16点と比較的軽度の顔面神経麻痺でしたが、8点以下(完全麻痺)の場合改善が遅延し後遺症を残す確率が大きくなります。
顔面神経麻痺はステロイド治療を行うことで7割以上の方で改善がみられます。しかし、逆の考え方をさせていただくと、3割の方が改善せずに後遺症等に悩まされていることになります。
早期から全身の鍼灸治療を行うことで消化・吸収・排泄が改善され回復力・治癒力が高まることで代謝が上がり、全身のリンパ、血液循環が改善されます。頭部、顔面部の血流循環を物理的に
妨げる頸背部の筋拘縮を取り除くことで、さらに表情筋の血流も改善し委縮や拘縮各後遺症の予防に非常に高い効果的を発揮します。また、鍼灸治療を行うことで薬物療法の効果効率を上げ、
さらに内臓への負担を減らす等の効果も期待できます。
顔面神経麻痺を発症した場合、早期の治療(薬物療法、鍼灸治療など)が大切になります。
いつもとは違う違和感を感じたら速やかに専門医、当院にご連絡ください。他の病気、外傷と同じく、顔面神経麻痺は初期の迅速な手当でその後の回復状態、後遺症の発生リスクが大きく左右
されます。近年各医科大学で鍼灸を積極的に取り入れています。西洋医学と東洋医学の得意分野を合わせて施行することで、この症状で悩む患者様が減ることを願い今回の考察を終わりたいと思います。
顔面神経麻痺について当院でもたくさんのお問い合わせをいただきますが、一般的に後遺症が出現してしまうと程度にもよりますが、
ほとんどの方が、大学病院に再通院し一定期間リハビリ等をし改善が見込めなければボツリヌス皮下注射、形成手術等をして後はあき
らめる(うまく付き合う?)方が多く、人間とは順応するもので多少の?不自由を受け入れて元の生活に戻られています。
そのような中で近年、後遺症の治療で鍼灸治療を選択される患者様も増えています。今回はそんな患者様の症例を例にだし考察したいと思います。
初回:
H21年8月29日 都内在住 会社員 男性 30代後半
主訴:
頸部、肩背部の強い痛み、緊張(顔面麻痺)
経緯・主訴:治療目的をヒアリングすると、H20.4月末顔面神経麻痺発症、顔面神経麻痺の治療、有名鍼灸院での施術を15ヵ月(週2回通院)するもあまり症状が改善せず顔面麻痺はもう諦め改善は望まないが、頸部、肩
背部のつらさで仕事にも支障が出てしまい何とかしてほしいとの事でした。
生活環境:長時間の仕事と不規則な休日、睡眠不足
他覚所見:頸部から肩背部に強い拘縮、痛みがあり腹部手足先の冷え、各症状の合併により精神的に落ち込んでいる。顔面麻痺の後遺症での前頭筋の筋力低下による視野障害、拘縮(こわばり)、ワニの涙、痙攣,病的共同運動は顕著にはみられない。
当院の治療方針:身体全体の調子を上げて各症状の自然回復力を上げる為の全身鍼灸治療と並行して、頸部背部の疼痛の原因ともなる顔面麻痺後遺症の回復(前頭筋筋力低下による視野障害)、顔面部の拘縮、ワニの涙の改善の
為の局所的多壮灸と顔面部オイルマッサージ施術、筋をつかさどる関係経絡への鍼灸施術を1週間1~2回、1ヶ月後に治療方針を再考する。
初回H21 8/29
上記問診、現状の説明と予後の説明等施術方針をお話し全身施術・顔面麻痺後遺症の局所治療約90分。
2回目 9/10
前回施術後顔面部の温かさを感じるも当日は変化なし、次の日朝、顔面部の拘縮がかなり弛んで久しぶりに気分が良く頸部、背部の痛みも少し楽になった。
3回目 9/19
治療後より顔面の拘縮は少し楽になり頸部、肩背部の痛み拘縮は一週間位は良いがその後辛くなる。鍼灸治療で各
症状が軽減されるのを体感できたとのこと。また、一部の症状が保険対象と認められ本日より一部保険適応での施術となる。 通院間隔は当院提案どおりはどうしても無理との相談を受け、1週間に1度の通院を出来る範囲でと提案した。
4回目 9/26
前回試した施術後の顔面部オイルマッサージを含め今週は調子が良かったと初めて笑顔を見せていただいた。
5回目 10/3
仕事量が多くなると頸部背部痛み拘縮が強くなる。顔面部も拘縮(つれ)少し悪化。
6回目 10/28
頸部、肩背部の拘縮、痛みはかなり軽減し体調もいいのであきらめていた顔面部の後遺症治療に重点を置いた施術を希望される(10月~11月顔面中心の施術コースを週1回)。
7回目 10/16
顔面部、前回の施術効果が継続されており調子が良い。諦めていた顔面麻痺後遺症も何とかなる気がすると後遺症治療に前向きな言葉が本人より出る。
8~13回目10/26~11/28
全身施術と顔面部+関係部位施術を交互に施術体調、顔面部とも調子が良く年末は忙しいので少し間隔をあける。
14回目H22 1/26
体調は良く、顔面部も何とか我慢できる範囲で症状が推移している。ひと月に1回の通院で調子が悪い時はその都度来院してほしいと話す。
14回目以降
2月1回、3月2回、4月2回、4月1回、5月4回、6月3回顔面部、頸部肩背部の調子も良く一時治療終了、
以降 H22 1回、H23 2回、H24 1回、H25 1回、H26 7月時点で2回通院をされています。年に1~2回体調維持、顔面麻痺後遺症の安定、再発防止の為通院していただき、体質改善により頸部、肩背部痛、顔面麻痺後遺症も落ち着いている。
考察:
今回の症例では、顔面麻痺発症より約15ヵ月が過ぎており、他の医療機関での施術を経験し、ある一定の回復は見られたが本人の望む回復状態ではありませんでした。ボツリヌス皮下注射、形成手術を選択するわけではなく日
常の不便を感じてはいたが15ヵ月間の通院加療をしたことで後遺症に慣れ、漠然とした不安を抱えつつも後遺症を受け入れていました。
当院来院の目的は顔面麻痺後遺症の改善ではなく、頸部、肩背部の強い痛み、拘縮であり、初診時問診で顔面麻痺後遺症の改善は望んでいなかった。一般的に麻痺発症後1年以上経過した不完全治癒、後遺症はほとんど改善の見
込みがなく、ボツリヌス皮下注射、形成手術、神経ブロック等を選択するか、上手く症状と付き合うしかないと言われるのが現状です。
本症例の頸肩部の拘縮、痛みは前頭筋、眼輪筋の筋力低下を起因とする症状である可能性が高いと当院では判断し、頸肩背部の治療と並行して顔面麻痺後遺症の治療を提案しました。急性期から慢性期の効果的治療法といわれ
る星状神経節ブロックも病変部の虚血、浮腫改善、病変部の血管を拡張させ回復に必要な血量、血流を得ることを目的としています。
「抹消神経障害の回復には、豊富な血流を維持することが重要であることは間違いない。」(引用:顔面神経麻痺診療の手引き 2011年版日本顔面神経研究会/編)と言われています。
当院では、血管の拡張、血流の確保にプラスして、 適当な温度管理、圧迫、物理的抵抗の除去、状態のよりよい血液維持、局所的血流の改善の補助的な全身の血液循環の改善を目的に腹部(消化、吸収、排泄改善)、上肢(頸
部顔面部への間接的アプローチ)、下肢(腹部、抹消の循環促進)、頸部(顔面部の血流改善の為物理的アプローチ)、頭部(自律神経調整、顔面部循環促進の補助)、背部(肝臓、腎臓等への経絡的アプローチ)、顔面部(病
変部への直接的な鍼施術と熱刺激の灸施術)と全身の治療を行いました。当院の提案した治療間隔での施術が患者様の生活スタイルと合わず急激な回復は望めなかったが、回を重ねるたびに、各症状は改善していきました。1ヶ
月経過時位から体調が良くなり全身の施術が終わり、顔面部の施術をする前にかなり顔面部のこわばり(拘縮)が改善し顔面部の局所治療をするとその場でさらに調子が良くなってくるようになります。3ヶ月経過時にはある程
回復に満足され、体調の維持、再発の予防を目的に大幅に通院間隔をあけ施術をするようになりました。H25来院時、顔面麻痺後遺症をあきらめずに当院に通院してよかったと話していただき、当ブログ掲載の許可をいただきました。
片側顔面痙攣・眼瞼下垂・複視に対しての鍼灸治療
疲れた時に眼の周りが勝手にピクピク動く、そういった経験をお持ちの方は非常に多いとおもいます。
「痙攣」とは筋肉が自分の意思とは関係なく、つまり不随意的に発作的収縮を起こす事を言います。
今回はその痙攣が眼の周りだけではなく、頬、口周りや顎にまで片側性に広がる片側顔面痙攣と眼瞼下垂・複視・眼痛、頭痛の症例報告です。
【症例】50代 女性 都内在住 主婦
【既往歴】H18年 クモ膜下出血
【主訴】片側顔面痙攣(右) 動眼神経麻痺(右)による眼瞼下垂と(右)眼球運動障害 複視肩、
頸のこり、眼痛・頭痛
【症状経緯】H25年に片側顔面痙攣、動眼神経麻痺を発症。メチコバール錠(ビタミン剤)、
芍薬甘草湯(痙攣をともなう筋肉の痛み、はり、こりに用いる漢方薬)を処方され服用。
H26年7月ボトックス注射(※1)を受け、顔面の痙攣を抑える。
H27年2月眼瞼下垂の手術を受ける。同年4月、2回目のボトックス注射。
H28年1月顔面痙攣の再発により御家族の勧めで当院にて鍼灸治療開始。
当院と並行して隔月で病院に経過観察のため通院中。
※1 ボトックス注射とは本来、食中毒の原因となるボツリヌス毒素を希釈し局所に直接注射する事で、神経筋接合部に作用し筋肉の運動を長期的に止める治療法。注射してからの有効期間はおおよそ3~4ヶ月で、日本では2000年より片側顔面痙攣に対して保険承認を受けた治療法。
【所見】
眼精疲労(⧻) 神経痛(+) 頭痛(⧻) 眼球乾燥(⧺) 易疲労感(+) 手足の冷感(⧺)
眼球運動障害(⧻) 眼痛(⧻) 後頚部痛(⧻) 散瞳(⧺)
ボトックス注射による筋肉の運動制限により、表情が硬くなり眉間に深いしわがみられる。日常では、
洗髪時にシャンプーが目に入るなどの不便さや、人と顔を合わす事に対して強いストレスを感じ、常に
眼痛、頭痛、焦点が合わなく仕事に支障が出ている。
【当院での治療】
消化吸収、排泄を整え基礎代謝を上げるため、またストレスなどが増悪因子となることから自律神経のバランスを整えることを目的に全身治療、そこに顔面のみの部分治療を組み合わせ、初期は週1回の通院を勧めた。
治療内容は関係する経絡のツボに加えて硬結、弛緩部に合わせた鍼、灸を使い分けた。
併せて頭痛、眼精痛、疲労などの症状から頸部の筋肉の弛緩を目的に徒手療法、ストレッチを行う。最後に顔面のオイルマッサージをし、筋の調整を行う。
【施術経過】
初回/H28年1月28日:施術前体温34.9℃、鍼灸共に通常刺激の半分程度の刺激で施術
2回目/2月2日:初回の施術で特に好転反応無く、今日より通常鍼灸施術。
3回目/2月9日:前回施術後緊張が取れてダルさが出る。痙攣(けいれん)が軽くなった。前回までの両足先の冷えが改善され温かくなった。
4回目/2月15日:前回施術後も好転反応によるダルさがでたが次の日には楽になり、2~3日は状態が良い。友人から「調子が良さそう」との評価がある。体温36.2℃
5回目/2月25日:首肩軽くなり右眼の眼瞼下垂が良くなり、今までできなかった目の周りの化粧(アイメイク)が出来るようになった。友人から調子が良さそうと初めて言われる。
6~9回目(3月):眼球乾燥に対しての点眼薬の使用回数が減ってきた。以前は眼痛、頭痛、後頸部痛のため1日3回服用していたロキソニンだが週1回程度と抑えられている。体温は以前35℃台だったが36℃台を維持している。
治療効果も4~5日維持できるようになってきた。酷い痙攣も(けいれん)も出ていない。顔の違和感も落ち着き、右単眼でのピントが合うような感じが出て来て、眼球運動が少しずつできるようになってきた。
10~13回目(4月):眼痛、頭痛なし(薬飲んでいない)。痙攣(けいれん)の程度も落ち着いてきている。4月後半から1週間痙攣(けいれん)が出ていない。
14~18回目(5月):痙攣は5月中には出ていない。右目も単眼でピントが合いやすくなっている。右眼球も動きがみられるが、たまに眼球の麻痺症状が出現、右眼の運動が出始めた事により焦点が合わず複視の症状を感じる。
19~22回目(6月)痙攣(けいれん)、頭痛はほぼ消失、眼痛はたまに感じる。顔を持ち上げて焦点を合わせていたが、顔を動かさずにいても焦点を合わせられる気がする。
23~26回目(7月)20日に大学病院にて右眼球が動いていると医師も喜んでくれた。その後脳外科の医師も同様に喜んでくれた。と本人も回復に自信を持ってきた。
27~30回目(8月)右単眼でのピントはかなり良くなるが、両眼では焦点が合わない。眼球が動くようになりその副作用で眼痛が少し強まる。
31~35回目(9月)眉間の深いしわがかなり目立たなくなる。日によって焦点の合う位置が違う。
36~40回目(10月)脳外科にてかなり改善していると言われる。10月の後半は目の調子も落ち着いてきた。いつの間にか飛蚊が無くなっていると本人。
41~44回目(11月)下を見ると焦点が合わない。下向き以外は問題なし。通院して、初めて目のストレスをあまり意識しない週が出てきた。
45~48回目(12月)脳外科にて瞳孔反射等含めかなり改善していると言われる。忙しく動き回ると眼痛、頭痛は若干出る。見え方は落ち着いている。
49~51回目(H29年1月)忙しく疲れる事があるが、調子よく動けた。目の疲れもあまり感じない。ピントはすぐに合うが視界を急に動かすと焦点か合わない。
52~55回(2月)寒さの厳しい時は全体に調子が良くない。目の乾燥での痛みが出る。
56~58回目(3月)目の症状は落ち着いているが、目の奥が痛痒く不安に思っている。眉のシワがほとんど目立たなくなり、顔も左右が同じようになり喜んでいる。眼瞼下垂は、本人の希望通りの回復。
59回目(4月)施術間隔を空けても眼痛は殆ど無く体調も良い。
60~61回目(5月)目の回復はすごいと医師に言われ、本人も回復に満足されている。症状も落ち着いているので、調子の良くない時、不安が有れば通院していただく事を約束し施術終了。
H30年/3回通院・令和元年より1ヶ月に1回メンテナンスの為通院中。
【考察】
脳血管疾患の後遺症としてよく知られているのは運動麻痺や高次脳機能障害ですが、くも膜下出血の後遺症には動眼神経麻痺による眼瞼下垂、瞳孔散大、複視、うっ血乳頭による視神経障害などの神経眼科的所見も見られることがあります。
動眼神経麻痺は脳を栄養する内頸動脈と後交通動脈との分岐部の滞りが動眼神経を圧迫して起こることが最も多く、
また、主訴である片側顔面痙攣は内頸動脈、中大脳動脈の滞りが要因の一つとされ、それらが顔面神経を圧迫し過敏にさせ異常な運動が行われている状態であるとされています。
眼球深部の痛み、強い頭痛も脳動脈の血流が阻害されている所見の一つであることから、今回の片側顔面痙攣、動眼神経麻痺の症状の改善は鍼灸治療による脳血液循環の改善にあると考えられます。
灸による血管の拡張、血流量の増加に加え、鍼と徒手療法により頸部筋肉を弛緩させることで頸部筋肉の下を通る脳までの血液の交通路を確保することができます。
頸から上も心臓からの距離、重力を考えると手足と同じ「末端」であり、その血流が改善されたことは2回目の施術以降に手足の冷えが改善されたことからも見てとれます。また、ボトックス注射で長らく
運動を制限していた為硬くなってしまった顔面の筋肉も顔面局所の施灸、オイルマッサージにより柔軟性が戻り、それに伴い硬結部位の間に落ちくぼんで、できた眉間のしわもほぼ改善しました。
顔面痙攣による集中力の低下、対面におけるストレス、痛みなどの症状は増悪因子となり悪循環となっていたため自律神経の調整も欠かさず行い御自身での各治療段階での顔写真での記録、また改善段階で
の医師を含め周りからの評価(「顔が綺麗になった」「目が動くようになっている」等)も後押しとなり現在では顔面症状の改善に、そしてなによりまず「痛みのない生活」に大変満足していただきました。
当院は眼科系、神経内科系、心療内科系に専門性をもった鍼灸院です。当院に初めて来ていただく方の中には「いろいろな医療機関や治療を試したが効果が無く、鍼灸でダメならあきらめようと思っていた」という声が少なくありません。
もちろん鍼灸を初めて体験される方も多く、未知の分野への不安を口にされる方もいらっしゃいますが、反応をしっかり見ながら最適な刺激量で施術させていただきます。
また、丁寧なカウンセリングのもと、治療効果がより高まるように日常生活の改善点もご提案させていただきます。
、40代女性 千葉県 会社員
主訴:片側の顔面けいれん
経緯:H30年1月発症しそのうち良くなると思い特に治療等はしなかった。
けいれんの出る頻度が増して、けいれんが強くなっている気がする。仕事、プライベートで人に会うのが苦痛にな
り、医科で薬を処方されたが思うような効果はなく、都内の顔面けいれんに強いと言う有名鍼灸院に通院したが、改
善する事はなくHPをみて当院に来院されました。
自覚・他覚所見:顔面けいれん、頭重感、首肩のコリ、最近疲れやすい、等を訴える。
お話を聞いた範囲では、昨年より急に仕事量が増え、人間関係にも強いストレスを抱えている。生活環境では、パソコン、スマートフォンの使用時間が長く、プライベートでもスマートフォン
を使用し、ベッドで動画を見てしまうとの事。
この患者様のように、パソコン作業が一日の大半を占める方に多く見られる後頭部、首~肩、背中の筋拘縮が強く、姿勢も前かがみであり、夜にスマートフォンを使用している為、眼にかなり
の負担がかかっており、充血がみられ目の周りを含め、顔全体が緊張(こわばって)している。
施術方針:目を酷使しているので、眼科系の施術で眼の疲労と顔面部の緊張を改善する。強いストレスを慢性的に受けている為、人に会いたくない、楽しむことが出来ない等、精神的な症状も
あるので、頭部を含め全身治療で自律神経のバランスをとる施術を開始する。同時に、仕事以外、極力パソコン、スマートフォンの使用を控え、ストレッチの指導も行う。
5月20日 初回:本来ならば初診時は軽い施術で様子をみて好転反応等を確認しながら刺激を調整していくが、鍼灸施術は慣れているので、時間をかけて、遠くから来院しているので、最初
から本格的な治療してほしいとの事で、頭部、顔面部、顔面患部、両上下肢に点灸、灸頭鍼、単刺、温灸器、オイルマッサージ等施術を行う。施術時間約90分
5月26日 2回目:初診時の好転反応(一時的な悪化・不快な症状)は特に感じない、施術後2日間は久しぶりに良い調子だったが、3日目から元(けいれん等)に戻ってしまった。首肩は
一度の施術でかなり良いとの事で、施術方針は初診時と同じ内容で経過を診る事にしました。また、施術効果が良く出るときと、かえって悪く感じる時が片側顔面けいれんには、稀にある事を話して施術をしました。
6月8日 3回目:前回施術ご当日は良かったが、その後あまり調子が良くなく、6月5日位から調子が良い、前回、好転反応の話を聞いていたのでそれほど落ち込まなかった。
6月18日 4回目:前回施術後より調子が良く、ほとんどけいれんは気にならない、頭重感も無く、首肩も気にならない。人に会いたくないと初診時書かれていたが、今は症状も落着き、そう思わない。
7月7日 5回目: 1クール終了:前回施術より約20日間空いたが、調子は良く疲れると少しこわばる感があるが、けいれんは出ていない。けいれんが無くなるとストレスもかなり違う、ま
だ仕事が忙しく、当院までの通院時間もかなりかかるので、再発の不安もあるが、症状が出たら、また、出そうな時は、直ぐに来院するとの事で施術終了。
考察:本症例の患者様は1クール(5回)の施術で片側顔面けいれんの症状は消失、主訴以外の各症状もほぼ改善し、通常の社会生活に戻っていかれました。
鍼灸施術以外に日常生活の見直しも大きく施術効果に影響します。特に夜間(ベッド内)のスマートフォン使用は、その時はストレスを忘れて楽しめますが、目の酷使と睡眠不足により、かえ
って大きなストレスになり、負の循環を招きます。いくら鍼灸施術をしても睡眠時間が取れなく、仕事等で負担が大きく、ストレスがかかり生活環境が乱れていると、施術効果は思うように
期待できないことがあります。本症例の患者様は生活環境を見直し改善された事も早期の症状改善につながったと思います。顔面けいれんの症状が治まったことで、初診時に言われていた人に
会いたくない。楽しめない等の精神的な負担も無くなりました。片側顔面けいれん、眼瞼けいれんは、鍼灸施術効果の高い症状で1クール以内にほぼ何らかの症状改善を患者様が感じる事が出来
ます。けいれんには鍼灸治療(特にお灸)が有効と、ほとんどの方が知りません。
同業の鍼灸師にも良くわからないと言われる人たちも多くいるのが現状です。顔面部だけに鍼を刺しても思うような改善は中々期待できません。お灸と鍼、ストレッチを効率的に組み合わせ全
身の調子を整えながら、患部の施術を行うことで片側顔面けいれん、眼瞼けいれんの症状は改善が期待できます。
他の治療院で効果が無く当院に来院され症状が改善される方も多くいます。鍼灸治療院ごとで、症例数、施術方法が全く違います。眼瞼けいれん、顔面けいれんの症状で不安をかかえている患
者様には、一度本格的な全身鍼灸施術を体験して頂きその施術効果を感じていただきたいと思います。
緑内障で悩まれている患者様へ
私が勤務している薬局には、緑内障の
治療でおかかりの患者様が大勢いらっしゃいます。
緑内障は、進行すると視力を失う可能性のある疾患であり、深刻な面持ちで、私ども薬剤師に相談してくる患者様も少なくありません。
眼科系・心療内科系・神経内科系のアンケート・症例もご覧下さい。
同じ様な悩みを抱えて、鍼灸施術を受けた感想等多くの症例があります。
緑内障・複視・黄斑変性・眼瞼下垂・けいれん・眼精疲労眼科疾患に付随
する頭痛頭重感、パニックなどを長く扱っている院です。様々な不安をお聞かせ下さい。長年の経験、実績から最善の提案をさせていただきます。